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 糖尿病治療薬という枠を越えた作用

  寺内 康夫 先生
  横浜市立大学 分子内分泌 ・ 糖尿病内科 教授

  われわれは以前より、チアゾリジン誘導体の抗動脈硬化作用の一端を解明すべく、ピオグリタゾンを用いて血管に対する直接作用やアディポネクチンの作用などを検討している。PPARγの強力なアゴニストであるピオグリタゾンは、インスリン抵抗性や脂質代謝異常の改善といった全身性の作用に加え、血管平滑筋の増殖抑制作用、マクロファージの泡沫化抑制作用、抗炎症作用といった局所における作用があることも指摘されている。これら血管局所での作用は、アディポネクチンを介したものと、直接的なものとが考えられ、非常に興味深い薬剤であるといえる。

  こうした検討の中で感じることは、ピオグリタゾンは糖尿病治療薬という枠を越え、もっと広い意義でとらえるべき薬剤だということである。PROactiveが示したピオグリタゾンの心血管イベント発症抑制効果も、こうした多面的作用によるアウトカムだと解釈できるだろう。このスタディをブレイクスルーとして、本剤が様々な視点から検討され、より広い臨床で使われるようになることを切に願っている。


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