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PROactive速報 EASD 2005 in Athens



  9月12日、ギリシャのアテネで開催中の第41回欧州糖尿病学会(European Association for the Study of Diabetes; EASD)において、大規模臨床試験PROactiveのデータが発表された。ハイリスク2型糖尿病患者における総死亡、非致死性心筋梗塞、脳卒中のリスクがピオグリタゾン投与により有意に低下し、経口糖尿病薬による心血管イベント発症抑制効果が初めて証明された。

総死亡、非致死性心筋梗塞、脳卒中のリスクが16%低下

 

  PROactiveは、心血管疾患の既往のある2型糖尿病患者を対象とした無作為化、二重盲検、プラセボ対照大規模試験である。欧州19ヵ国321施設の5,502例のうち登録基準を満たした5,238例をピオグリタゾン群(2,605例)またはプラセボ群(2,633例)に無作為化し、糖尿病および循環器疾患の標準治療にピオグリタゾンを追加投与することによる心血管イベントの発症抑制効果を検討した。

  その結果、臨床上最も重要で厳しい評価となる総死亡、非致死性心筋梗塞、脳卒中のいずれかが最初に起きるまでの期間を比較した最重要副次評価項目では、ピオグリタゾンによって16%の有意なリスク低下が認められた(p=0.027)。また、主要評価項目【無作為化後、総死亡、非致死性心筋梗塞、脳卒中、下肢切断、急性冠症候群(ACS)、PCI/CABG、下肢血行再建術の7つのイベントのうち、いずれかが最初に起きるまでの期間】では、統計学的有意差を示すには至らなかったものの、プラセボ群と比較して10%のリスク低下が認められた。

  PROactiveの実施委員会委員長、John Dormandy教授は、「ピオグリタゾンを3年間投与することで、48名のうち1名のハイリスク2型糖尿病患者を総死亡、非致死性心筋梗塞、脳卒中から救うことができる」と述べた。



種々の代謝因子を総合的に改善

 

 続いて報告された代謝因子の解析結果によれば、新たに継続的なインスリン導入を必要とした患者がピオグリタゾン群では11.1%と、プラセボ群の22.0%と比較して53%減少した。HbA1cも、プラセボ群と比較して有意に低下(−0.8% vs. −0.3%;p<0.001)するなど、ピオグリタゾンの追加投与によって、より良好な血糖コントロールを得られることが示された。脂質代謝については、プラセボ群と比較して心血管疾患のリスクファクターであるトリグリセリドが13%減少し(p<0.001)、HDLコレステロールが9%増加(p<0.001)するという改善効果が得られた。従来報告されている血糖低下に依存しない種々の抗動脈硬化作用に加えて、こうした代謝因子の総合的な改善が、ピオグリタゾンによる心血管イベント発症抑制に寄与したものと考えられる。

ハイリスク患者でも安全性を確認

 

  今回の試験における重篤な有害事象の発現率は、ピオグリタゾン群46.2%、プラセボ群48.4%と差を認めなかった。また、ピオグリタゾン群で認められた主な有害事象は、添付文書に記載されている範囲内(体重増加、浮腫、重篤でない低血糖症および心不全)であった。心不全発現率はピオグリタゾン群10.8%、プラセボ群7.5%であったが、心エコーなどで確定診断されたものではないこと、心不全による死亡には差がない(ピオグリタゾン群0.96%、プラセボ群0.84%)ことが報告された。またALTが正常上限値の3倍を超えて上昇した症例はプラセボ群の方が多いなど、肝毒性は認められなかった。

■Chairman(John Dormandy)のコメント

 これらの成績についてDormandy教授は、「PROactiveにより、2型糖尿病患者における総死亡と、非致死性心筋梗塞、脳卒中などの心血管イベントの発症を、ピオグリタゾンが有意に減少させることが明らかとなった。通常は血糖をコントロールするために使用される経口糖尿病薬が、2型糖尿病患者における循環器疾患の予後をも改善することを示した世界で初めての試験結果である」と総括した。

 

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