WCC 2006 in Barcelona ドクターコメント速報
ピオグリタゾンの多彩な
心血管保護作用のさらなる解明に期待する
心血管保護作用のさらなる解明に期待する
筒井 裕之 先生
北海道大学 循環病態内科学 教授
北海道大学 循環病態内科学 教授
2005年11月の米国心臓病学会において、ピオグリタゾンが心筋梗塞の既往を有する2型糖尿病患者における心血管イベントを抑制するというPROactive試験のサブグループ解析の結果が示されたが、今回欧州心臓病学会においては脳卒中の既往を有する患者の解析結果が報告された。ピオグリタゾンは、脳卒中の再発リスクを47%低下させた。複合心血管イベント(死亡、心筋梗塞、脳卒中)も28%低下させた。しかしながら、新規脳卒中の発症の低下は、認められなかった。
ピオグリタゾンの効果は、心血管イベント抑制のエビデンスを有する標準治療(降圧薬、糖尿病治療薬、抗血小板薬、スタチンなどの高脂血症薬)がなされたうえで認められたことから、そのインパクトは大きいといえる。
糖尿病患者においては心臓、脳などの大血管障害を抑制し、生命予後の改善をはかることが極めて重要である。今後、ピオグリタゾンによる心血管イベント抑制効果が、その血糖低下作用を超えて認められるのか、またピオグリタゾンが有している心血管に対する多彩な保護作用が関与するのかについて明らかになることが期待される。